登山を趣味にしているなら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。突然の天候悪化、道迷い、滑落、そして…想像もしなかった「遭難」。
それは他人事ではなく、誰にでも起こりうる現実です。
そんな“山の怖さ”と“生還への知恵”を、実話に基づき克明に描き出すのが、ヤマケイ文庫「ドキュメント遭難」シリーズ。
登山者のリアルな声や判断ミス、そして生き延びるための選択が詰まったこのシリーズは、読むだけで山のリスクを肌で感じ、対策を学べる“登山の教科書”とも言える一冊です。
「安全に山を楽しみたい」すべての登山者にこそ読んでほしい、心に残るノンフィクションを紹介します。
実録・山の恐怖を克明に描く「ドキュメント遭難」シリーズとは?

山と溪谷社が発行する『ドキュメント遭難』シリーズは、実際に起きた登山事故を詳細に取材・検証した実録ノンフィクション。
気象・地形・判断ミスなど、さまざまな要因で発生する遭難のリアルが、緊迫感ある筆致で描かれています。読み進めるうちに「これは自分にも起こりうる」と思わず背筋が冷えるはず。
登山をするすべての人にとって、最強の“安全登山教科書”ともいえるシリーズです。読んでおくだけで、いざという時の判断力が変わります。
「ドキュメント遭難」シリーズのほとんどがKindle Unlimitedの対象。追加料金なしで読み放題になります。無料体験やお得なキャンペーンもあるので、気になる本があればぜひ試してみてください。
ドキュメント 道迷い遭難(ヤマケイ文庫)

―誰もが陥る“道迷い”の恐怖。あなたは本当に大丈夫ですか?―
山岳遭難の中で最も発生件数が多いのが「道迷い」。実際に起きた7件の道迷い遭難を丹念に取材し、なぜその人は迷ってしまったのか、どうして助からなかったのか、あるいはどのように生還できたのかを克明に追っています。
「自分は大丈夫」と思っている人こそ読んでほしい。道に迷い、何日も山中をさまよう――その恐怖と判断の連続は、読者にも“登山者としての意識”を問いかけてきます。
地図読みのミス、予定外の分岐、焦りや過信…。登山者の盲点に切り込むリアルな遭難記録です。
ドキュメント生還-山岳遭難からの救出(ヤマケイ文庫)

―極限の山中で、生きて帰るために必要なものとは―
山で遭難した“名もなき登山者たち”の生還劇を描いたノンフィクションです。道迷い、雪崩、落雷、吹雪、怪我──予期せぬアクシデントのなか、彼らはどう行動し、何を考え、なぜ生き延びることができたのか。
17日間のサバイバル、8日間の吹雪籠城、1本のマヨネーズ…それぞれの体験には、山でのリスクと向き合うヒントが詰まっています。
「運」や「体力」だけでは語れない“生還力”を、実話の積み重ねから読み解く一冊。山に登るすべての人に贈る、生きるための山岳ドキュメントです。
ドキュメント生還2 長期遭難からの脱出(ヤマケイ文庫)

―極限の「日常」が続く中、生きるために人は何を選ぶのか―
本書では、6日〜14日間という“長期遭難”を経験し、生還した登山者たちのリアルな証言を記録。山で道を失い、水も食料も尽きていく中、彼らはどのように自分の心と体を保ち、生き延びたのか。
遭難中の手記、検証取材、関係者との対談を通して描かれるのは、想像を超えた現実と、それに向き合う人間の強さと弱さ。
「生きる」という意志が試される瞬間を、静かに、しかし力強く伝える一冊。
ドキュメント 滑落遭難(ヤマケイ文庫)

―「ちょっとした油断」が命取りに。滑落事故から何を学ぶか―
本書は、実際に起きた7件の滑落遭難を取り上げ、登山中にどのような経緯で事故が発生し、何が致命的だったのかを丹念に描写。些細な一歩のズレや判断の遅れが、取り返しのつかない結果に繋がることを、リアルな記録で伝えます。
再発防止を願い、当事者や関係者の声をもとに徹底検証。山を歩くすべての人にとって、「明日は我が身」と感じさせる教訓の書です。
ドキュメント 気象遭難(ヤマケイ文庫)

―“天気”を甘く見た者に山は牙をむく。気象遭難のリアル―
本書は、雪崩・落雷・低体温症といった気象要因によって引き起こされた7つの遭難事例を取り上げ、なぜ遭難に至ったのか、避ける術はなかったのかを徹底的に掘り下げていきます。
季節ごとの自然の脅威を丹念に描写しながら、山という自然の中で「生き残る」ために必要な知識と心構えを、静かに、しかし強く伝えてくれる一冊です。
ドキュメント単独行遭難(ヤマケイ文庫)

―たったひとりで山に挑むということ。リスクと向き合う記録―
本書では、単独登山者が遭遇した実際の遭難事例をもとに、なぜ事故が起きたのか、そこにどんな判断の過ちがあったのかを詳細に検証します。
「誰にも頼れない」という単独行の厳しさを描きつつも、このスタイルに惹かれる人々に向けて、冷静かつ実践的なリスクマネジメントの重要性を語る一冊です。
ドキュメント雪崩遭難(ヤマケイ文庫)

―雪山で起こる“静かな惨劇”。そのとき、何が命運を分けたのか―
スキーや登山、バックカントリーでの雪崩事故の実例を通して、雪崩の恐ろしさと向き合い、どうすれば命を守れるのかを突き詰めていくルポルタージュ。
瞬間的にすべてを奪い去る雪崩の脅威。そのメカニズムや発生条件、現場で起きた“わずかな判断ミス”が何を引き起こしたのか。
雪山に立つすべての人に手に取ってほしい、命を守るための実践的記録です。
ドキュメント山の突然死(ヤマケイ文庫)

―それは静かに訪れる“もうひとつの遭難”。命を守るために今できることとは―
登山中、突如として命を奪う「山の突然死」。病気という“見えないリスク”が、体力や経験に関係なく登山者を襲います。
本書では、実際に起きた5件の突然死の事例を通して、そのメカニズムや背景にある生活習慣病、そして予防策を徹底検証。
単なる「山の怖さ」ではなく、体調管理と登山計画の重要性を突きつける1冊です。
「ドキュメント遭難」シリーズ以外の、ヤマケイ文庫の遭難系読みもの

山岳遭難をテーマにした書籍といえば、上記で紹介した羽根田治さんや柏澄子さんの「ドキュメント遭難」シリーズが有名ですが、ヤマケイ文庫には他にも読んでおきたい“山のリアル”が詰まった作品が多数揃っています。
滑落・気象・単独行・雪崩・病気など、遭難の原因ごとにテーマが分かれているので、自分の登山スタイルや不安なポイントに合わせて選ぶのもおすすめです。
「こうして事故は起きるのか…」と背筋が伸びると同時に、「明日からの山行に活かせる」具体的な教訓が得られるはず。読書という形での“事前訓練”、始めてみませんか?
長野県警 レスキュー最前線(ヤマケイ文庫)

―救助の“最前線”に立つ者たちの素顔と覚悟―
映画『岳』のモデルにもなった長野県警山岳遭難救助隊。その活動記録には、極限の現場で命と向き合う隊員たちのリアルな想いが詰まっています。
中高年登山ブームの影響で変化してきた遭難現場――道迷い、突然死、安易な救助要請。そんな多様化する遭難にどう向き合い、救助にあたってきたのか。
涸沢での常駐隊活動、初出動の緊張、航空隊との連携、女性隊員の苦悩と家族の想いまで――。現場で汗を流す彼ら自身の手で綴られた貴重なドキュメント。
登山をするすべての人に読んでほしい、“救助の現実”を知る一冊です。
ヤマケイ文庫 穂高小屋番レスキュー日記(ヤマケイ文庫)

―山岳遭難の現場で何が起きているのか。穂高岳山荘元支配人が綴る、救助の最前線の記録―
長年穂高岳山荘を拠点に、数々の山岳遭難救助に奔走してきた宮田八郎が、命がけのレスキュー体験をリアルに描く。
霧の中の危機一髪のヘリ救助、現場での緊迫の瞬間、そして登山者への温かくも厳しいメッセージが詰まった遺稿集。
山と仲間、遭難者を愛した著者の思いが、山好きの心を深く揺さぶる一冊。
侮るな東京の山 新編奥多摩山岳救助隊日誌(ヤマケイ文庫)

―東京の身近な山の危険。救助隊が見た遭難の現実とは―
20年間、警視庁青梅警察署山岳救助隊を率いてきた著者が、実際に対応した遭難事例を通じて、奥多摩の山を軽く見ることへの警鐘を鳴らす。
滑落や道迷いが圧倒的に多く、それに加え行方不明や軽装備、疲労なども多発。そこには“侮り”の気持ちが根深いことを指摘する。
過去の著作から顕著な事例を厳選し、新編としてまとめた一冊。飲酒やドラッグ、強盗など山中での刑事事件も紹介し、東京の山の“リアル”に迫る。
十大事故から読み解く 山岳遭難の傷痕(ヤマケイ文庫)

―“山の教訓”を刻む、重大遭難の記録と検証―
登山史を揺るがした10件の重大事故を通して、日本の山岳遭難の背景と教訓を深く掘り下げる一冊。学校登山での集団遭難、落雷による悲劇、ナイロンザイル切断、ガイド登山のミスなど、それぞれの事故が発生した“時代背景”と“登山文化”にまで踏み込んだ内容は、まさに遭難史の集大成です。
なぜその事故は起きたのか?何が足りなかったのか?過去を知ることで、未来の安全登山につなげる。遭難は決して他人事ではなく、自らの山行を見直すきっかけにもなるはずです。歴史に刻まれた“山の傷痕”を通じて、登山者が学ぶべきリアルな教訓がここにあります。
凍る体 低体温症の恐怖(ヤマケイ文庫)

―低体温症の恐怖と克服。モン・ブラン遭難体験から医師が解き明かす命の危機―
1981年3月、アルプス・モン・ブランのスキー登頂に挑んだ著者は、吹雪で登頂断念後、下山中にヒドン・クレバスに落下。
16時間後に体温28度の低体温で救出され、苦しいリハビリを経て回復。現在は専門医として、自身の体験を踏まえ国内事例も交え低体温症のメカニズムと恐ろしさを詳しく解説する。
人を襲うクマ―遭遇事例とその生態(ヤマケイ文庫)

―遭遇の恐怖、そのとき人はどう動いたのか―
1970年、北海道・日高山脈で起きた福岡大学ワンダーフォーゲル部のヒグマ襲撃事件。3名の命を奪ったこの事故は、今なお語り継がれるべき教訓に満ちています。
本書ではその惨劇を丹念に検証し、ザックを取りに戻らない、背中を見せて逃げない――といった山での“いざという時”の判断を浮き彫りに。さらに、昨今頻発するツキノワグマとの遭遇事故や最新の生態データも紹介。
野生動物との“境界線”に立つ登山者必読の一冊です。
山岳遭難の教訓 –実例に学ぶ生還の条件(ヤマケイ新書)

項目 | 内容 |
---|---|
タイトル | ヤマケイ新書 山岳遭難の教訓 –実例に学ぶ生還の条件– |
著者 | 羽根田 治 |
出版社 | 山と溪谷社 |
発売日 | 2015年2月20日 |
ページ数 | 227ページ |
シリーズ | ヤマケイ新書 |
内容の特徴 | 山岳遭難の多様な実例と生還の条件を検証し、登山者の心得を促す |
商品ページ | Amazonで見る / 楽天で見る |
―「山登りにベテランなし」。すべての登山者が知るべき山岳遭難のリアル―
登山は決して他人ごとではない危険と隣り合わせの遊びだ。過去の遭難事例は、その厳しい現実を雄弁に物語る。
本書は雪崩や高体温疾患、爆弾低気圧、低体温症、道迷いなど多様な遭難パターンを丁寧にレポートし、なぜ遭難に至ったのか背景から検証。
読む者に「山への正しい心構え」を促し、実例に基づく生還の条件を教える、登山者必携の一冊。
ヤマケイ文庫の「ドキュメント遭難」シリーズはKindle Unlimitedで読むのがおすすめ

ヤマケイ文庫「ドキュメント遭難」シリーズは、Kindle Unlimitedの読み放題対象作品が多数ラインナップされているのも嬉しいポイント。
紙の本で1冊1,000円前後する本も、月額980円のサブスクでまとめて読めるので、コスパが抜群です。
道迷い、滑落、雪崩、突然死――さまざまな事例を通して、「登山の落とし穴」や「備えるべきリスク」を学ぶことができ、1冊読むごとに山への見方が変わっていくのを実感するはず。
登山前の学びとしても、山に行けない日の読書にも最適です。興味のあるテーマから気軽に読み始めてみてください。
最新号・バックナンバーが3ヶ月間199円で読み放題
【キャンペーン開催中!】