夏山登山や長時間のトレッキングでは、どんなに体力や装備が万全でも「水分補給」が疎かになると一気に体調を崩してしまいます。

熱中症や脱水症状は、登山中に起きる代表的なトラブルのひとつです。
そこで頼りになるのがスポーツドリンク。なかでもコンビニや自販機で手軽に買えるポカリスエットとアクエリアスは、多くの登山者に選ばれている定番ドリンクです。
しかし「どっちを持っていくのが正解なの?」と迷う人も多いはず。
この記事では、両者の違いを成分や特徴から徹底比較し、さらに補給の目安量なども交えて紹介します。それぞれの登山スタイルに合ったドリンク選びの参考にしてください。
ポカリスエットの特徴:体液に近い成分で吸収効率◎

ポカリスエットは大塚製薬が販売するロングセラーのスポーツ飲料で、「飲む点滴」とも呼ばれるほど体液に近い成分バランスで作られています。
- 糖質量がやや多め → 水分と一緒に素早く吸収される
- ナトリウム・カリウムが豊富 → 発汗で失われやすい電解質を効率的に補給
- 体調不良時にも使える → 発熱や下痢で脱水気味のときの補水にも効果的
登山では大量の汗をかきますが、そのときに水だけを飲むと「低ナトリウム血症」と呼ばれる危険な状態に陥ることがあります。ポカリは塩分や糖分をバランス良く含んでいるため、まさに登山の強い味方といえるでしょう。
ただし甘さがしっかりしているため、「運動中にたくさん飲むと少し重い」と感じる人もいます。
アクエリアスの特徴:さっぱり飲めて疲労回復も意識

項目 | 内容 |
---|---|
ブランド | アクエリアス (AQUARIUS) |
商品の形状 | 液体 |
風味 | スポーツ飲料 |
内容量 | 500ml |
商品説明 | 浸透圧設計により、体に必要な水分とミネラルをすばやく補給できるスポーツドリンク。カロリーオフでスッキリとした後味が特徴。アクティブシーンだけでなく、日常の水分補給にも最適。リサイクルしやすいラベルレスボトルも展開。 |
原材料 | 果糖ぶどう糖液糖(国内製造)、食塩 / クエン酸、香料、クエン酸Na、塩化K、硫酸Mg、乳酸Ca、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(スクラロース)、イソロイシン、バリン、ロイシン |
栄養成分(100mlあたり) | エネルギー:19kcalタンパク質:0g脂質:0g炭水化物:4.7g食塩相当量:0.1gカリウム:8mgマグネシウム:1.2mgイソロイシン:1mgバリン:1mgロイシン:0.5mg |
商品サイズ(高さ×奥行×幅) | 22cm × 41.7cm × 28cm |
注意事項 | パッケージデザインは異なる場合あり。開栓時に液こぼれに注意。 |
商品ページ | Amazonで見る / 楽天で見る |
アクエリアスはコカ・コーラ社が販売するスポーツドリンクで、「運動を続けるためのサポート」を意識した設計が特徴です。
- 糖質量が控えめ → 低カロリーでゴクゴク飲める
- クエン酸配合 → 乳酸の分解を促し、疲労回復をサポート
- アミノ酸(BCAAなど)を含む → 筋肉の分解を抑え、持久力の維持に効果的
味はすっきりしており、長時間の行動でも飽きにくいのが魅力です。特に「軽登山や日帰りハイク」「あまり汗をかかない涼しい時期の山行」では、アクエリアスの飲みやすさが好まれる傾向にあります。
スポーツドリンクそれぞれの成分比較(100mlあたり)
➡ まとめると、ポカリは「失った水分と電解質を補う補水寄り」、アクエリアスは「疲労軽減や飲みやすさを意識した運動継続寄り」という違いがあります。
実際に登山者はポカリスエットとアクエリアスどっちを選んでいる?
ネットやSNSなどを見るとざっくり以下の通りでした。
- ポカリスエット派:60%ほど
「夏山での脱水対策に欠かせない」「下山後に一番体に染みる」 - アクエリアス派:30%ほど
「軽めの山歩きならアクエリアスで十分」「ゴクゴク飲めて飽きにくい」 - その他(麦茶・経口補水液・水):10%ほど
「水飲み、もしくは麦茶などのお茶系。水分塩分が足りないと感じたら経口補水液などを飲む」
➡ 多くの登山者は「大量発汗対策に強いポカリ」を支持していますが、アクエリアスの飲みやすさも根強い人気があることが分かります。
登山での水分補給の目安量
登山中は「喉が渇いた」と思ったときにはすでに脱水が始まっています。こまめに補給することが大切です。
- 夏山(気温25℃以上) → 1時間あたり 500ml前後
- 春・秋(気温15〜20℃) → 1時間あたり 300〜400ml
- 標高が高い・強い運動強度 → +100〜200mlを目安に追加
例えば、5時間行動する場合は2〜2.5リットル程度を目安に持っていくと安心です。500mlペットボトルを小分けにして持参し、30分〜1時間ごとに少しずつ飲むのがおすすめです。
さらに「前半はアクエリアスでさっぱり補給 → 後半はポカリでしっかり電解質補給」といった飲み分けをするのもおすすめです。
スポーツドリンクは粉末タイプを持っていくのもアリ!
ポカリもアクエリアスも粉末タイプが販売されています。山小屋やテント泊での水分補給に便利で、以下のメリットがあります。
- 軽量で持ち運びやすい(ペットボトルを複数持つより荷物が軽くなる)
- 必要な分だけ溶かして飲める
- コストもペットボトルより安い
デメリットは「水が手に入らないと使えない」「粉を溶かすのが少し面倒」という点ですが、長時間登山や縦走登山では非常に重宝します。
登山者の口コミ・評判
「ポカリスエット」と「アクエリアス」。どちらもスポーツドリンクの代表格ですが、「成分の違い」や「飲みやすさ」で好みが分かれることが多いです。机上の比較も大事ですが、やっぱり気になるのは実際に登山をしている人たちがどちらを選んでいるのか?という点ですよね。
以下では、登山経験者の口コミや評判をもとに、それぞれの選ばれる理由を紹介します。
真夏の北アルプス縦走では汗が止まらず、普通の水じゃすぐバテてしまうんです。ポカリは塩分がしっかり入っているから、飲んだあとに体がスッと回復する感じがあります。下山後も『ポカリじゃないとダメ』っていうくらい、体に染みるんですよね。
初めての富士登山で水だけを持っていったら、途中で足がつって大変な思いをしました。そのときベテランの人から『登山はポカリがいい』と教わって飲んでみたら、体が楽になったんです。それ以来、登山には必ずポカリを持っていくようにしています。
長時間の登山じゃなくて、日帰りの低山が多いので、私はアクエリアス派です。ポカリは甘さが強くてたくさん飲めないけど、アクエリはさっぱりしているから喉が渇いたときにゴクゴク飲める。クエン酸のおかげか、疲労感も少し軽くなる気がします。
年齢的にカロリーが気になるので、アクエリアスを選んでいます。糖分が少なめだから飲みやすいし、登山中だけじゃなく普段の水分補給にも使える。筋肉痛予防のアミノ酸も入っているので、翌日の疲れが軽くなる感じがするのもいいですね。
私はどっちかに決められないタイプです(笑)。行動中はさっぱり飲めるアクエリアスをメインにして、テント場や休憩でしっかり回復したいときはポカリを飲むようにしています。粉末タイプを持っていけば荷物も軽くなるので、状況に合わせて飲み分けるのがベスト!
口コミを見てみると、
- ポカリスエット派 → 塩分・電解質補給重視、体力回復に強い
- アクエリアス派 → さっぱり感・飲みやすさ・低カロリー重視
- 両方使い分け派 → 登山の状況やタイミングに合わせて使う
といった傾向が分かります。
登山では大量の汗をかき、思っている以上に電解質が失われます。特に長時間の縦走や夏山では「ポカリ」でしっかり補給するのが安心。一方、日帰り登山やライトなハイキングなら「アクエリアス」でさっぱり喉を潤すのも快適です。
最終的には「自分の体質」と「登山スタイル」に合わせて選ぶのがベストですが、口コミを参考に、自分に合ったドリンクを見つけてください。
まとめ:登山に持っていくならポカリスエットとアクエリアスのどっちがおすすめ?
項目 | ポカリスエット | アクエリアス |
---|---|---|
特徴 | ・体液に近いイオンバランス・すばやく体に吸収される・風邪や体調不良時の水分補給にも適する | ・浸透圧設計で素早く吸収・カロリーオフでさっぱり飲みやすい・アミノ酸(BCAA)を配合 |
カロリー(100mlあたり) | 27kcal | 19kcal |
炭水化物(100mlあたり) | 6.7g | 4.7g |
ナトリウム/食塩相当量 | ナトリウム 49mg | 食塩相当量 0.1g(=ナトリウム約40mg) |
カリウム | 20mg | 8mg |
カルシウム | 2mg | 乳酸Ca配合 |
マグネシウム | 0.6mg | 1.2mg |
その他成分 | – | アミノ酸(イソロイシン1mg、バリン1mg、ロイシン0.5mg) |
おすすめシーン | ・登山などで大量に汗をかくとき・脱水症状や熱中症予防・風邪や発熱時の水分補給 | ・日常の水分補給・軽い運動やトレーニング時・カロリーを気にする人におすすめ |
商品ページ | Amazonで見る / 楽天で見る | Amazonで見る / 楽天で見る |
ポカリスエットは「体液に近い成分で電解質補給に強い」、アクエリアスは「低カロリーで疲労回復も意識した飲みやすいドリンク」。
登山者の中でも多数派はポカリでしたが、行動時間や気温、個人の好みによって最適解は変わります。
登山では「どちらか一方」ではなく、両方を組み合わせて状況に応じて飲み分けるのも賢い方法です。ぜひあなたの登山スタイルに合った1本を選び、安全で快適な山行を楽しんでください!