今回は「Apple AirTag」のレビューをお届けします。
導入のきっかけは、テント泊時に荷物をデポするときの不安からでした。テント泊登山や縦走中に必要ない荷物をテント場に置いておくシーンってありますよね。でも、ちょっと心配…。
そこでAirTagを付けてみたら、これが思った以上に安心感アップ。結果的に、ソロ登山やキャンプのときも「これは便利かも!」と感じるようになりました。
結論から言うと、登山でもAirTagは“保険”として持っておくとかなり安心感アップ。特に、ソロ登山やテント泊縦走をしている方にとっては心強い存在になります。
Apple AirTagとは?基本スペック

Apple AirTagは、紛失防止用のスマートトラッカーです。
iPhoneと連携することで、鍵・財布・バッグなど、どこかに置き忘れたアイテムを「探す」アプリから位置確認・音を鳴らして発見できる便利アイテム。
項目 | 内容 |
---|---|
製品名 | Apple AirTag |
サイズ | 直径31.9mm × 厚さ8.0mm |
重さ | 約11g |
電池 | CR2032ボタン電池(交換式) |
電池寿命 | 約1年 |
防塵・防水性能 | IP67等級(最大水深1mで最大30分耐水) |
通信方式 | Bluetooth(近距離) / Appleの「探す」ネットワーク(広域) |
対応デバイス | iPhone(iOS 14.5以降) |
追跡精度 | U1チップ搭載iPhone(iPhone 11以降)で“正確な場所を探す”が可能 |
スピーカー | 内蔵(音を鳴らして発見しやすく) |
価格(税込) | 約4,780円(1個)/約15,980円(4個パック)※Apple公式価格(2025年5月現在) |
直径はわずか31.9mm、重さ11gととてもコンパクトで、防水性能(IP67)も備えているため、登山やアウトドアにも向いています。
本体にはGPSは搭載されていませんが、Apple独自の「探す」ネットワークを利用して、世界中のiPhoneユーザーの端末を経由して、AirTagの位置を間接的に特定する仕組みです。

例えば、落とした場所の近くを誰かがiPhoneを持って通りかかれば、そのiPhoneが自動で位置情報をクラウドにアップしてくれるため、自分のスマホに場所が通知されるという仕組みになっています。
AndroidではAirTagを公式に検知することはできません。 AppleのAirTagは、Apple独自の「探す」ネットワークに依存しているため、Androidスマートフォンではその機能をフルに活用することはできません。
設定もシンプルで、iPhoneに近づけるだけで自動ペアリング。登録した名前で管理できるので、「ザック」や「サコッシュ」といったアウトドアギアにも活用しやすいんです。
なぜ登山にAirTag?使ってみようと思ったきっかけ

登山では、ザックやサコッシュ、スタッフバッグなど、うっかり置き忘れたり、風に飛ばされたりするリスクがあります。特にテン泊や稜線泊など、風の強い環境では「ちょっと目を離した隙にギアがなくなる」なんてことも。
僕自身も、山頂で撮影中にサコッシュを岩の上に置いたまま下山しかけてしまい、30分ほど登り返す羽目に…。あのときは本当に焦りました。
また、意外と見落とされがちですが、テント場や山小屋前にデポした荷物が盗難に遭うケースもゼロではありません。特に混雑時は人目も多く、ごちゃごちゃしている分、目を離した隙に何かを持ち去られるリスクもあるのが実情です。
▶︎ テント、無くなりました。
そんな中で、AirTagなら万が一ギアを落としたり忘れたり、あるいは盗難に遭ったとしても、iPhoneの「探す」アプリから位置情報を確認できるという安心感があります。これはもう「保険」として持っておきたいなと感じ、導入を決意しました。
実際にAirTagを登山装備に導入してみた

登山にAirTagを使うといっても、手順は驚くほどシンプル。登山用のGPS端末と違って、アプリの設定や電源操作も不要なので、テック系が苦手な人でも迷わず使えます。
セットアップはわずか1分
まずはAirTag本体をiPhoneに近づけるだけで自動的にペアリング画面が立ち上がります。
その後、「ザック」や「サコッシュ」などの名前をつけて登録するだけ。AirTagには複数の用途ラベル(バッグ・鍵・財布など)も用意されていて、用途に合わせてカスタム可能です。
登山ギアへの取り付け方

僕の場合、以下のように使い分けています:
- ザックの場合: シリコン製ケースに入れて、内側の小物ポケットに吊るす。ザックの外ポケットに入れる場合は、カラビナ付きのケースを使うと安心。
- サコッシュの場合: 内部のジップポケットに収納。目立たない場所に入れておくことで、盗難対策としても有効。
- スタッフバッグの場合: 防水ポーチや小型のジップケースに入れて、シュラフやクッカーと一緒にパッキング。特にテン泊時のデポ装備にはAirTagがあると安心感が段違い。
- テントの場合: 設営後のテントの収納袋の中やインナーポケットに取り付けておく方法。仮に風でテントが動いたり、盗難にあったとしても、位置情報が残るので探しやすくなります。
AirTagは軽量・防水(IP67)なので、多少濡れても問題なし。とはいえ、濡れた衣類や結露したギアと密着させるのはNG。なるべく乾いた場所や、防水ケースに入れるのがベストです。
定期的な動作チェックも忘れずに

「使うだけでOK」と思いがちですが、山行前には必ずiPhoneからAirTagが反応するかをチェックしておくのがおすすめ。特に長期間使っていないと、バッテリーが切れていた…なんてことも。
登山のような環境では、”ちゃんと動作していること”自体が安心材料になります。
ちなみに、AirTagの電池はCR2032ボタン電池で、約1年ほど持ちます。交換も簡単で、工具なしで裏ブタを回すだけでOKです。
AirTagの電池交換の目安は一般的に約1年です。しかし電池の品質や使用頻度によって変動します。iPhoneの「探す」アプリでバッテリー残量を確認したり、iPhoneにバッテリー残量低下の通知が表示されたりすることで交換時期を把握できます。
AirTagを山で使うメリット5つ

登山でのAirTag活用は、ただの「忘れ物防止」以上に、安心感をもたらしてくれます。
特に軽量化を意識するULハイカーにとっても、たった11gのAirTagがもたらす「情報」という装備は、コスパ抜群。実際にどんなメリットがあるのか、以下で具体的に紹介していきます。
① ザックやギアの置き忘れ防止に◎
テント場や山小屋前、休憩中など、ちょっとした不注意でギアを置き忘れることは案外多いもの。そんなとき、AirTagを仕込んでおけば、すぐに「探す」アプリで音を鳴らせたり、場所を確認できます。
② 万が一の盗難対策にも
山でもギアの盗難はゼロではありません。特に人の多いテント場や、登山口にデポした荷物は狙われることも。AirTagを忍ばせておけば、後から位置情報をたどれる可能性があります。
③ グループ登山時の共有が便利!
AirTagは最大5人まで位置情報を共有可能。チームで共有しておけば、誰かが置き忘れてもすぐに誰かが気づいてサポートできます。子どものザックにAirTagを入れておくと、安心してハイキングにも連れて行けます。
④ オフラインでも“見つかる可能性”が高い
山の中では電波がないこともありますが、AirTagはAppleの「探す」ネットワークを利用しているため、近くを通った他のiPhoneユーザーの電波を介して、位置をクラウドに通知できます。つまり、登山道など他の人が通る可能性があるルート上であれば、発見される可能性はゼロじゃないんです。
⑤ 小さくて軽い、防水性もある
AirTagはたった直径31.9mm、11g、防水(IP67)対応。CR2032ボタン電池1つで1年ほど使えるので、電池切れの心配も少ないです。登山のミニマリスト装備にも邪魔にならないのが嬉しい。
AirTagにはデメリットや注意点もある

もちろん、完璧なガジェットではありません。以下の点には注意しましょう。
- iPhoneユーザーでないと活用できない
- 山奥で誰も通らなければ、探知はできない
- スピーカーの音は風が強いと聞きづらい
- あくまで“補助”的な追跡手段
つまり、GPSトラッカーのようなリアルタイム追跡はできないんです。あくまで「最後に確認された場所」がわかるというレベルなので、過信は禁物。
登山におすすめの取り付け方法


- 【ザック】内ポケットに仕込む or カラビナで外ポケットに吊るす
- 【サコッシュ】ジッパーポケットに忍ばせる
- 【スタッフバッグ】小さなジップケースに入れておく
- 【車の鍵】車中泊やデポする場合にAirTag付きキーケースが便利
登山用アクセサリーとして、シリコン製カバーやループ付きケースを選ぶと便利です。
まとめ:AirTagは“登山の保険”。1つ持ってて損なし!

AppleのAirTagは、いわゆる「スマートトラッカー」としては非常にシンプルな構造ですが、登山という限られた装備と時間の中で行動するシーンにおいて、その効果は侮れません。
特にザックやスタッフバッグといった、行動中に持ち替えたり、テント場にデポしたりするギアには最適です。
実際に使ってみて思ったのは、「ただそこにあるだけで安心できる」という不思議な存在感。軽量・防水(IP67)・電池1個で約1年動作という手間のかからなさも含めて、「登山装備に1つ足すだけでこんなに心の余裕が増えるんだ」と実感しました。
山の中では、些細な焦りやミスが行動全体を乱す原因にもなりかねません。AirTagを仕込んでおくことで、忘れ物や紛失に対する不安を一つ減らし、もっと山を楽しむことができるようになります。
こんな人におすすめ!
- ソロ登山・ファストパッキングをよくする人
- グループで共有装備を持ち歩く人(テントやクッカーなど)
- テント泊で荷物をデポする機会が多い人
- 人の多いテン場で盗難リスクに不安がある人
- 忘れ物が多くて下山後に焦った経験がある人(←完全に僕です)