登山は、自然と向き合う奥深い趣味。だけど「登ってみたいけどハードルが高そう…」と感じる人も多いはず。そんな時におすすめなのが“登山漫画”。
山の魅力や苦しさ、そして登頂の感動を疑似体験できて、読んだあとは思わずザックを背負いたくなる…そんな名作たちをご紹介します!
登山だけじゃない!キャンプ・山暮らし系の漫画もピックアップ

今回ご紹介するのは「山」をテーマにした漫画11選。とはいえ、いわゆる本格登山ばかりではありません。気軽なハイキング、ソロキャンプ、旅、山でのスローライフや、霊山巡りまで…。
“山を楽しむ”スタイルは人それぞれ。
登山の入口に立ったばかりの方も、山の空気が恋しい経験者も、自分にぴったりの一冊がきっと見つかるはずです。
山と食欲と私(信濃川日出雄)
「単独登山女子 × 山めし」=最高の癒し。
27歳OL・日々野鮎美が、仕事の合間にこっそり山へ。
誰にも干渉されず、山で作るご飯を心から楽しむ彼女の姿は、読んでるこちらまでほっこりします。
山飯レシピも参考になるので、実用性もあり!
岳(石塚真一)
救助隊という命がけのリアルを描く傑作。
山岳救助ボランティア・島崎三歩が主人公。
登山の厳しさ、自然の恐ろしさ、そして人の温かさを真っ直ぐに描くヒューマンドラマです。
リアル志向の登山者にはたまらない一冊。
神々の山嶺(夢枕獏・谷口ジロー)
“山に取り憑かれた男たち”が挑む、極限のヒマラヤドラマ。
遭難死したはずの伝説のクライマー・羽生丈二と、彼の謎を追うカメラマン・深町誠。
二人の男の生き様が、厳冬のヒマラヤという極限の舞台で交錯します。
谷口ジローの緻密な筆致が描く山岳風景のリアリティと迫力は圧巻。読み進めるごとに、呼吸すら浅くなるほど引き込まれます。
山賊ダイアリー(岡本健太郎)
“野生”と“山”をガチで体感する異色作。
現役猟師の作者が、猟とサバイバル生活を描いたリアル記録。
山という自然を、人間がどう生きるかという視点で描いており、登山とはまた違った“山の深み”を味わえます。
山のススメ(しろ)
女子高生たちのゆるふわ登山ライフ。
インドア派の主人公が、友達に誘われて山登りに挑戦するところから始まる青春ストーリー。
キャラクターの成長と共に、山への理解も深まる構成で、自然と登山の知識も身に付きます。
THE ALPINE CLIMBER 単独登攀者・山野井泰史の軌跡(原作:よこみぞ邦彦/漫画:山地たくろう)
人は、これほどまでに熱くなれるのか。
前人未到の壁に、たったひとりで挑み続けた男――山野井泰史。
幼少期から山に魅せられ、10代でヨーロッパアルプスを単独登攀。
その後もヒマラヤの高峰や極限ルートに果敢に挑み、“世界トップクラスのクライマー”として名を刻んだ彼の実話を描く山岳ドキュメント漫画です。
過酷な挑戦、命を懸けた登攀、そして凄絶な遭難…すべてがリアル。
登山を知る者なら震えること間違いなしの、魂の記録。
登拝女子と山伏さん 人生変わった御利益登山(たなべみか)
霊山に登ると、人生も登っていけるのかも。
絶望のどん底にいたアラフォー女子が、霊山を巡る登山で人生を再構築していくストーリー。
ある日出会ったのは、なんと“現役の山伏”! 一緒に霊山へ登ることで、祈りと自然、そして自分自身と向き合っていきます。
本格的な登拝(とはい)指南もありつつ、山伏との交流がほっこり面白く、エッセイタッチで読みやすい。
スピリチュアルすぎない絶妙な距離感で、山の新たな魅力が見えてきます。
K(ケイ)(谷口ジロー)
男は、ただ静かに、神々の山に挑み続ける。
白き峰々、苛烈な自然。そして人間の心の奥底――
自らの過去と向き合い、ひとり極限の登攀へと向かう男“K”。
寡黙な主人公と、重厚な筆致で描かれるアルペン・ドラマは、登山の「精神性」に深く迫ってきます。
谷口ジローによる緻密な描写は、風雪や岩肌の冷たさすら感じさせ、まるで自分がそこにいるかのような臨場感。
“登る理由”を問われたとき、静かに思い返したくなるような一冊です。
山を渡る(空木哲生)
山岳信仰 × クライミングの異色ハイブリッド!
神と信仰が息づく山々で、登攀する男たちの信念と狂気が交錯する物語。
クライマー×宗教という珍しいテーマながら、異様な熱量と神秘性がクセになります。
今日からはじめる山登り(じゅごん 大輔)
オタクたち、山に目覚める。初心者目線の等身大ストーリー!
アニメオタクでインドア派だった彼らが、高尾山でのデビュー登山をきっかけに山の魅力にどっぷりハマっていく——。
この作品の魅力は、リアルな初心者体験と、着実にステップアップしていく過程にあります。
縦走、小屋泊、テント泊、さらには百名山まで…読み進めるうちに「自分も挑戦してみたい!」という気持ちに火がつくはず。
ルートMAPや持ち物リスト、山ごはんレシピ、安全登山のノウハウも網羅されていて、実用性も抜群。
まさに、登山ビギナーに贈る“読む登山入門書”です。
ざつ旅 -That’s Journey-(石坂ケンタ)
ざつでもいい。歩き出せば、何かが始まる。
ネームが通らず、心が折れそうな新人漫画家・鈴ヶ森ちか。
ある日ふと思い立ち、行き先をSNSで決める“ざつ旅”を始める――。
行き当たりばったりの旅の中で出会う自然、土地の人々、そして自分自身。
登山ではないけれど、「歩くこと」「山の景色に癒やされること」の大切さにじんわり気づかされる、そんな一冊です。
まとめ:漫画で登山の世界を覗いてみよう

登山はハードルが高く感じられるかもしれませんが、漫画を通して知ることで、気軽に「山の魅力」に触れることができます。笑いあり、涙あり、緊張感あり。どの作品にも“山にしかないドラマ”が詰まっています。
読んでるうちに「自分も行ってみたい」と思ったら、ぜひ近くの山から無理のない範囲で一歩踏み出してみてくださいね。