ハイドレーションシステムの存在はもちろん知っていました。でも正直、見た目がイマイチだし「市販のペットボトルで十分じゃん?」という安直な理由でスルーしてきました。
ただ、ふと気づいたんですよ。今使ってるPa’lanteのザックにはハイドレーション用のホースを通す穴がちゃんと開いてるってことに。これは…導入すべきでは?
というわけで思い切ってHydrapak(ハイドラパック)を試してみることにしました。
まだ山に持っていった回数は少ないですが、実際に使ってみたら想像以上に便利で快適。
以下では購入したHydrapakのレビューとハイドレーションのメリット・デメリットを紹介。「Hydrapakがちょっと気になってる…」って人や「ハイドレーションって実際どうなの?」と悩んでる人の参考になれば嬉しいです。
今回購入したハイドレーションはHydrapak(ハイドラパック)

ハイドレーションシステムをざっくり説明すると、水を入れるバッグ(リザーバー)とチューブがセットになったもの。ザックからボトルを取り出さなくてもチューブを咥えれば即水分補給できる、まさに”飲むための登山道具”です。
登山用のハイドレーションを出しているメーカーは意外と多く、「CamelBak(キャメルバック)」「Platypus(プラティパス)」「SOURCE(ソース)」といった老舗勢はもちろん、「Osprey(オスプレイ)」「Deuter(ドイター)」「Gregory(グレゴリー)」などのザックメーカーも独自モデルを展開。さらに「Nathan(ネイサン)」や「Salomon(サロモン)」といったトレラン系ブランドも参戦しています。
そんな中、僕が選んだのは「Hydrapak(ハイドラパック)」のベロシティ IT 1.5Lと28mm PNP インラインフィルター(浄水器)。
ベロシティ IT 1.5L(リザーバー)

ベロシティ IT 1.5Lの重量は169g。
購入の決め手は「見た目があまり好きじゃない」「市販のペットボトルで十分」 みたいな、これまでのネガティブな理由を壊せそうだったから。

ハイドレーションの見た目が好きじゃなかった理由はチューブの色が「青」か「透明」しかないと思ってたので…。でも、Hydrapakには黒色のチューブ(ホース)がある。これなら肩に付けててもそこまで目立たないし、「登山ガチ勢感」も控えめ。つまり見た目問題クリア。これはかなりデカかったです。


僕は電車やバス移動が多い公共交通機関ハイカー。だから「今から登山行きます!!」みたいな感じを出したくなくて、目立たない黒色のチューブを見つけたときはこれだ…ってなりました。
…とはいえ、写真で見ると想像以上にハイドレーション感ありますねコレ。でもこのチューブはただの黒じゃなくて断熱性に優れた素材。真夏でもチューブ内の水温が上がりにくいらしいのでそこは大きなメリット。
リザーバー(=水を入れる袋)も同様で、一般的なモデルより38%も高い保冷効果があるそう。ただ、そのぶんちょっと重いというデメリットもあり。
ちなみにチューブ側には水量を調節できるつまみ付き。これが地味に便利で飲みすぎ防止にもなるのがポイントです。

もう一つ「市販のペットボトルで十分」と思ってた理由は毎回買った方が準備が楽だったから。
ハイドレーションの場合、登山当日の朝に水をリザーバーに入れるというひと手間が発生します。でもペットボトルなら前もってスーパーや薬局で買っておいてそのままザックに突っ込んでおけばOK。
登山の朝は早い。準備することも山ほどある。そこに「水を入れる」という行程が増えるだけで意外とめんどくさい。そこが難点です。
ただ、ハイドレーションなら毎回自分で水を入れる分、ペットボトルを買わなくて済むので地味に節約になります。登山は何かとお金がかかるから、水代だけでも浮くのはありがたいです。

実際に使ってみた感想ですが、首を左に傾けて吸うだけで水が飲めるので水分補給がめちゃくちゃ簡単になりました。
ペットボトルだと一回立ち止まって「ザックのサイドポケットから取り出す→飲む→戻す」っていう手間があるけど、ハイドレーションなら歩きながらそのまま給水OK。(これ、一回慣れるともう戻れないやつ…。)
デメリットはぶっちゃけ致命的かもしれない。リザーバーがザックの中にあるせいで水の残量が分からないってこと。で、僕はかなりのアホなので買ってからこの事実に気づきました…。
色々調べてみたけど「これだ!」っていう解決策はありませんでした。ザックの上から手で押して確認する方法もあるらしいのですが、そんな高度なこと僕には無理。最初は休憩のたびに確認したり、予備の水や飲み物を持っていくなどの対策で慣れていこうと思います。
ちなみに今回僕が買ったのは容量1.5リットルのモデルだけど、もう少し大きい2リットルverもあるので水の量が気になる人はそっちもアリかも。
28mm PNP インラインフィルター(浄水器)
ベロシティ IT 1.5Lを購入する時に同じくHydrapakの浄水器「28mm PNP インラインフィルター」も一緒に購入しました。

Hydrapakのハイドレーションリザーバーとチューブの間に付けられる浄水器です。また一般的なペットボトルにも装着可能。Hydrapakのハイドレーションを最大限に活かせると思い購入してみました。
バックフラッシュアダプター(水色)とキャップアダプター(灰色)が付属します。

バックフラッシュアダプターはメンテナンスに使います。バックフラッシュアダプターを取り付けたペットボトルから浄水器にきれいな水を逆流させます。


もう一つの付属品でもあるキャップアダプターの方はインラインフィルター(浄水器)に取り付けることでキャップなどを装着できるようになります。


今後、浄水器をハイドレーションリザーバー側に取り付けるか、別で持っていったペットボトルに付けて浄水するか、まだ完全には決めていないけどどちらにも対応できるって点では汎用性はかなり高いです。
28mm PNP インラインフィルター(浄水器)は、規格や互換性のあるチューブ径を持つ他社製品にも対応しているはず。ただ、基本的にはHydrapak製品で統一した方がトラブルなくスムーズに使えるんじゃないかなと思います。
また、初めて浄水器を買うなら多くの人が使っている「ソーヤー ミニ」もかなりおすすめ。最大38万リットルもの水をろ過できるので、長期的に見ればコスパが抜群に良いから。
一方、Hydrapakのインラインフィルターは寿命が約1,500リットルらしく、頻繁に使う人はその点を考慮した方がいいかも…。
でも、どっちを選ぶにしても「水をきれいに飲む」という点では変わりはないので、山で遊ぶことを趣味にしている人は必ず浄水器は一つ持つようにしましょう。
慣れが必要だけどハイドレーションで山での水分補給はグッと楽になる

ハイドレーションの最大のデメリットは、水の残量が分からないこと。これが気になって導入を見送る人も多いと思います。でも実際に使ってみると、山での水分補給が圧倒的に楽になるのは間違いありません。
僕は歩くペースこそゆっくりだけどあまり休憩を取らないタイプ。歩きながら水を飲めるハイドレーションはまさに僕の山行スタイルにフィットしていると感じています。

今回導入したHydrapakのベロシティ IT 1.5Lは耐久性が高く、手に持った感じもしっかりしていて、水漏れの不安はゼロ。さらに保冷効果が高いので、特に夏に活躍してくれそう。
そして、28mm PNP インラインフィルター(浄水器)。メンテナンスも楽なので、すでにHydrapakのハイドレーションを使っているなら導入を検討しても損はないはず。
以上、ちょっと値は張ったけどどちらもデザインがかっこよく、所有欲を満たしてくれる登山道具。今後もガンガン山で使い倒していく予定です。