僕自身、長く歩くロングトレイルやスルーハイクには興味がある。でも、実際にはそんなに歩けるわけじゃない。
それでも「じゃあそれに合うザックってなんなの?」と考え続けた結果、2024年5月から「Pa’lante / Joey(パランテのジョーイ)」を背負って山に登ることに決めました。
UL(ウルトラライト)ザックなので、UL特有のメリット・デメリットがあります。今回は実際に使ってみて分かったJoeyの特徴やリアルな使用感をシェアしていこうと思います。
Pa’lanteのJoeyが気になっている人、ULザックを探している人の参考になれば嬉しいです。
Pa’lanteのJoeyを購入した理由

Pa’lanteは北米発のUL(ウルトラライト)ザックブランド。今回紹介するJoeyの容量は24L、重量はわずか379g。購入時の価格は44,000円(軽さは正義…だけど、お財布にはまあまあヘビーです)。
購入の決め手はとにかく肩に優しそうだったから。UL系ザックなので軽いのはもちろん、さらにベスト型デザイン。これなら長時間背負っても負担が少なそう。
あと僕は走らないけどひたすら歩き続けたいタイプ。Pa’lanteのザックは「走れるULザック」としても有名だけど、長時間の歩行にもフィットする構造。僕のスタイルにも合ってそうだったのでこれを選びました。

Pa’lanteの創業者もFKT(Fastest Known Time)チャレンジでJMT(ジョン・ミューア・トレイル)を歩いたとき、Joeyの原型となるバックパックを使っていたらしい。 つまり速く、軽く、長く歩くためのザックとして生まれたということ。
容量24Lは正直、テント泊ザックとしてはかなり小さいです。でも僕の装備もUL化が進んできたので今はJoeyを日帰り〜1泊2日で使用。
以前は日帰り用とテント泊用でザックを分けてたけど、Joey一つにまとめたことで準備がかなり楽に。特にテント泊の前日「どのザックにしよう…」って悩む時間がゼロになったのが地味にデカいです。
ポケットの数が多い
Joeyにはメイン収納の他になんとポケットが8つ。このポケットの多さも購入の決め手の一つでした。
ショルダーハーネスには左右に大小2つずつ、計4つのポケット。ここにGoProのバッテリー、モバイルバッテリー、スマホ、クマ避けスプレー、熊鈴を収納。
ポケットが多い=「今すぐ取り出したいモノ」を全部手元に置いておけるということ。歩きながらサッとアクセスできてこれがめちゃくちゃ便利。快適さが爆上がりしました。

僕の場合はGoProのバッテリー交換を頻繁に行うため、一番使いやすいショルダーハーネスのポケットにモバイルバッテリーなども入れています。歩きながらでもサッと取り出せるのがポイント。
サイドポケットは500mlのペットボトルが2つ入ります。結構パツパツですが…。

Joeyはハイドレーションに対応しているので今は水以外の飲み物を入れています。(飲み物を片方のポケットに集中してると左右のバランスが崩れるらしいのですがそこまで細かくは気にしていないです)
反対側のポケットにはよく使うファーストエイド類を入れています。足裏に塗るワセリンや絆創膏、痛み止め、下痢止め、ロキソニンテープなどがすぐ取り出せるようになっています。
背面ポケットに関しては思った以上にタイト。ザックのデザイン的にしょうがないけど過信は禁物。入れるものは厳選する必要がありそうです。

僕は折り畳み傘とGoProの三脚兼自撮り棒、サングラス、トイレセット。雨の予報があればさらに雨具。最近はパンやおにぎりも背面ポケットに入れています。
底面にもポケットがあるのがPa’lanteの大きな特徴。ここにはグミ、ラムネ、かむかむレモンを常備。ザックを背負った時に上から重さがかかるので落ちる心配はありません。

さらにハイドレーション用のホース穴など、見た目はシンプルですが色々なギミックが詰め込まれています。

これらを活用することで行動中はほぼザックを下さずにひたすら歩くことだけに集中できます。

ベスト型かつ2本のチェストストラップのおかげで肩の痛みが軽減される
僕は山行中や山行後はとにかく肩や首がガチガチに凝ります。もともと姿勢が悪くストレートネックというのもあるんですが…。とにかくこの痛みや凝りを少しでも和らげようという思いでベスト型のJoeyを選択しました。


ベスト型ザックと聞くとトレイルランニングのイメージが強いと思います。でも世に出回っているものは10〜15Lくらいの容量が多く、登山メインの自分にはちょっと小さすぎます。しかもスポーティーなデザインが多くてどうもしっくりこない。
そんな中で見つけたのがPa’lante Joey。ベスト型の快適さはそのままに25L前後の容量とシンプルなデザインが魅力的でした。僕はブラックを選んだけど他のカラー展開もあります。
ベスト型ザックを実際に使ってみて感じたのは荷重ポイントが広く分散され、体への負担が軽減されていること。Joeyを背負ってからは、登山中の肩の痛みがかなり減りました。(ただし、動画編集の肩こりは相変わらず…!笑)
ちなみにチェストストラップは2本搭載。調整次第でフィット感をカスタマイズできるのもこのザックの強みです。

チェストストラップでザックの揺れを抑えます。ただし、息苦しさには要注意。適度に締めればフィット感が増して安定するけど、僕はすぐ息苦しくなるので登りは外して下りや平坦な道で使うスタイル。
チェストストラップをうまく調整することで揺れを最小限に抑え肩への負担を軽減します。ベスト型という点も肩に優しいです。
余談ですが長距離を歩くならロキソニンテープを忍ばせておくとさらに安心。「痛みが出てから対処」より「事前に準備」の方が快適なトレイル歩きができます。
JoeyのデメリットはULザックにありがちな背中の蒸れ
JoeyもやっぱりULザック特有の「背中ムレ問題」は避けられないです。夏はもちろん冬でもアウターまで汗でしっとり…。これは汗冷えの原因にもなって地味にキツい。
そこで導入したのが「汗とおる君」。背中に空間を作って通気性をアップさせるアイテム。こんなん堂が販売しています。
正直、ULザックの蒸れに悩んでるならコレはありだと思います。


「汗とおる君」、見た目に反してめちゃくちゃ快適。もちろん完全に蒸れゼロとはいかないけど、背中に隙間ができるだけで風通しがかなり改善。体感レベルで蒸れがだいぶマシになりました。
しかも背負い心地も違和感なし。長時間歩いても気にならないし、Joeyとの相性も抜群。
実はこれを装着するとザックが自立するという意外なメリットも発生。電車移動が多い自分にとってこれが結構便利。
Pa’lante Joey、結局どうだった?
以上、ベスト型ザックの快適さを知ってしまったらもう普通のザックには戻れないかもしれません。 軽くてシンプル、それでいて収納力も十分。肩への負担も分散されるので長時間歩いても疲れにくいです。
もちろんデメリットもあります。ULザック特有の背中の蒸れ問題、そしてそこまで大容量ではないという点。でも、それを補って余りあるフィット感と機動力が手に入ります。
「トレラン用っぽいデザインはちょっと…」と思っていた人もこのシンプルなデザインならありかも。 黒は特に落ち着いた雰囲気で電車移動でも浮かないのが地味にありがたいです。
ULザックに興味があるなら、Pa’lante Joey、試してみる価値は大いにあると思います。