登テント泊登山や縦走をはじめたばかりの方にとって、「ザックが重くてしんどい…」という悩みは避けて通れません。水や食料、防寒具など、持ち物が増えるテント泊では、数百グラムの差が行動力や疲労感に大きく影響してきます。
中でもエアマットは、「どうせ寝るだけだし」と軽視されがちな装備ですが、実は軽量化の“伸びしろ”が大きいアイテムのひとつ。マットの重量は製品によって100g台から500g超まで幅広く、選び方次第で300g以上の差が出ることも珍しくありません。

しかも夜の睡眠は翌日の行動力に直結する重要要素。体をしっかり休められなければ、足取りは重くなり、思わぬミスや事故の原因にもなりかねません。だからこそ、“軽いのにちゃんと寝られる”エアマットを選ぶことで、荷物の軽量化と快適性を一気に両立できるのです。
今回は登山向け軽量エアマットおすすめ5選を紹介するので、テント泊登山や徒歩キャンプで使用するエアマットをお探しの方は参考にしてください。
僕が登山で愛用しているエアマットは「THERMAREST ネオエアーXライト」
レビュー|快適な寝心地と軽さを両立した王道スリーピングマット-1024x683.jpg)
テント泊登山を始めた頃、「とにかく軽くてよく眠れるマットがほしい!」と探しに探して行き着いたのが、THERMAREST(サーマレスト) ネオエアーXライト(サイズR)。
僕が使っているのは旧モデルなんですが、重さはわずか370g、収納サイズは23×10cmとペットボトル程度に収まるコンパクトさなのに、厚さは7.6cm、R値4.5という高断熱性能。正直、初めて使ったときは「これで山の夜がこんなに快適になるのか」と驚きました。
もっと軽量化を狙うならウーバーライト系もありますが、ネオエアーXライトは寝心地と実用性のバランスがとれたちょうどいい選択肢。オールラウンダーな軽量マットという存在です。テント泊を始める方や、次のステップに進みたい軽量志向の方にはおすすめできます。
【NEMO テンサーエリート(235g)】驚異の軽さ×快眠性能、ULハイカーのための最高級エアマット

NEMOが誇る超軽量スリーピングパッド「Tensor Elite」は、軽さを極限まで突き詰めた逸品。レギュラーサイズでもわずか約235gという驚異の軽量性を実現しながら、クッション性や断熱性にも一切の妥協なし。
パンクに強い10D CORDURAナイロンと、独自の「Apexバッフル構造」により、体圧分散と安定性を高次元で両立。厚さ7.6cm(3インチ)のエアクッションと静音性の高いサーマルミラーフィルムが、長距離縦走でも快眠をサポートします。
R値2.4で3シーズンに対応、さらに高性能なLaylowバルブは微調整も楽々。付属のVortexポンプサックで素早く簡単に膨らませられるのもおすすめポイント。
「最小重量・最大快適性」──ULハイカーの“理想”を形にした、最上級エアマットです。
【THERMAREST ネオエアーウーバーライト(250g)】軽さと快適性を極めた最軽量エアマットレス

縦走登山でもロングトレイルでも活躍する、驚異的な軽さと快適さを両立したエアマット。
レギュラーサイズでもわずか250g。収納サイズは15×9cmとコンパクトで、UL志向のハイカーにとって理想的な装備です。厚さ6.4cmのクッション性に加え、「トライアンギュラーコアマトリックス」構造により快適さと断熱性(R値2.3)をバランスよく確保。夏山〜3シーズンの登山にぴったりの性能です。
薄手の15Dナイロンを採用しつつも、信頼のアメリカ製。スタッフサック・ポンプサック・リペアキット付きで、すぐに使えるのも嬉しいポイント。
「軽さこそ、正義」——その言葉を体現した1枚。最小限装備で最大限の快適さを追求したい人におすすめです。
【KLYMIT イナーシャXフレーム(258g)】究極のミニマリズムを追求した軽量エアマット

「荷物はとことん軽く、それでも快眠は譲れない」——そんなUL志向のハイカーに刺さる、KLYMIT(クライミット)の挑戦的エアマット。
わずか258g、収納サイズは約7.6×15.2cmという超コンパクト設計。大胆にくり抜かれた“ロフトポケット”が寝袋のロフトを潰さず、保温性を保ちつつ快適な寝心地をキープします。マット内の空気が偏りにくい設計で、寝返りしてもバランスを崩しにくいのが魅力。
厚み3.8cmと控えめながら、ボディマッピング技術によって必要な部位をしっかりサポート。寝袋の中に入れて使うスタイルが基本で、冷えも軽減できます。
シンプルを極めながらも考え抜かれた構造。「ただの軽量マット」と侮れない、ギア好きにも納得の1枚です。
【THERMAREST ネオエアーXライト(370g)】静かに、暖かく、快適に──ULハイカーに愛され続ける定番エアマット

「軽さ・保温性・寝心地」のすべてをバランスよく備えた、登山用エアマットの完成形。それがサーマレストの「ネオエアーXライト」。
レギュラーサイズでも370gと軽量ながら、厚さ7.6cmのしっかりしたクッション性を確保。収納時は1Lのペットボトルとほぼ同等サイズで、バックパックの隙間にも収まります。独自の「トライアンギュラーコアマトリックス」構造と断熱層「サーマキャプチャー」により、R値4.5の高い断熱性能を実現。夏山〜初冬の登山や山小屋泊など、幅広いシーズンに対応できます。
また、改良されたウィングロックバルブは寒冷地でも扱いやすく、空気の逆流を防ぎつつ素早く膨らませることが可能。静音性も向上しており、寝返りのたびにギシギシ音が気になる人にもおすすめです。
「快適性の黄金比」を体感したい方に、ネオエアーXライトは最適な一枚です。
【SEA TO SUMMIT ウルトラライトマット(395g)】軽量・快適・コンパクトを極めた登山用スリーピングパッド

シートゥサミットの「ウルトラライトマット」は、その名の通り軽さと携帯性を極限まで追求した登山向けエアマット。レギュラーサイズで本体重量わずか395g、収納サイズは直径7.5×17cmと非常にコンパクト。
独自構造の「エアスプラングセル」が、点で体重を支えて圧力を分散。空気の反発感が少なく、沈みすぎず、快適な寝心地を実現。
また、独自の多機能バルブにより、空気の出し入れや微調整も直感的に操作可能。付属のスタッフサックには「エアストリームポンプサック」がビルトインされており、数回の吹き込みで素早く膨らませられるのも魅力です。
「軽さ・携帯性・快眠性」の三拍子が揃った、夏山やファストパッキングに最適な1枚です。
エアマットのメリット・デメリットを知って、自分に合った選び方をしよう

登山用の寝具選びで悩む人は多いですが、特にエアマットは軽さや快適性の面で魅力的な選択肢です。
ただし、どんなギアにもメリット・デメリットがあるように、エアマットにも特徴があります。ここではその利点と注意点をしっかり押さえて、あなたの登山スタイルや好みにぴったり合ったマットを見つけるお手伝いをします。
軽量化を目指すのか、快適性を重視するのか、そのバランスを知ることが快適な山旅の第一歩です。
エアマットのメリット:軽量でコンパクト、快適な寝心地を実現

エアマット最大の魅力は、何と言っても軽くてコンパクトに収納できること。テント泊で荷物をできるだけ軽くしたい登山者にとって、これは大きなメリットです。小さく丸めればザックの隙間にスッと収まり、重量も数百グラム程度なので、体への負担が軽減されます。
さらに、空気を入れて膨らませる構造のおかげで、地面の凹凸をしっかり吸収し、断熱性も高いので、地面からの冷気を防ぎつつ快適に眠れます。しっかり休めることで翌日の行動力がアップするのも嬉しいポイントです。
エアマットのデメリット:パンクのリスクと空気入れの手間

一方でエアマットにはパンクのリスクがあるのも忘れてはいけません。尖った石や枝で穴が開くと空気が抜けてしまい、寝心地が悪くなったり使えなくなったりすることも。リペアキットが付属しているモデルが多いですが、修理は登山中だと意外と面倒です。
また、使うたびに空気を入れる手間がかかるのもデメリット。慣れれば数分で膨らませられますが、疲れている時や寒い夜には負担に感じることもあります。逆に片付けるときは空気を抜くのに時間がかかる場合もあるので、計画的に行動したいところです。
エアマットには電動エアポンプがあると便利!おすすめはFLEXTAILのゼロポンプ

エアマットを使うとき、空気を入れるのが意外と手間に感じることもありますよね。そんな時に役立つのが電動エアポンプです。
特に僕がおすすめしたいのは、コンパクトでパワフルなFLEXTAIL(フレックステイル)のゼロポンプ。軽量ながらもスピーディーに膨らませられて、撤収時の空気抜きもラクラク。
登山やキャンプの準備・片付けがグッと楽になるので、ぜひ一緒に揃えておきたいアイテムです。
まとめ:軽量エアマットで快適&軽やかなテント泊登山を楽しもう

軽量エアマットは、荷物の軽量化と快適な睡眠を両立できる頼れるギアです。
今回紹介した5つのモデルは、それぞれ特徴や使い勝手が違うので、自分の登山スタイルや季節、予算に合わせて選ぶのがおすすめ。
しっかり休めることで翌日の行動力もぐっとアップします。ぜひ自分にぴったりのエアマットを見つけて、軽やかで楽しいテント泊登山を満喫してください!
登山用のエアマットに関するよくある質問(FAQ)
エアマットは登山やテント泊の快適さを大きく左右する重要なアイテムですが、初めて選ぶときは「どのくらいの厚さが必要?」「パンクしない?」「フォームマットとの違いは?」など、疑問点が多い装備でもあります。
以下では、登山者からよく寄せられる質問をまとめて解説します。
Q1. 登山用のエアマットは本当に必要ですか?
A1. 必ずしもエアーである必要はないですが、テント泊ではマットは必須です。地面の冷気や凸凹を防ぎ、睡眠の質を大きく改善してくれます。特にテント泊やビバークでは快適さと安全性の両方を高める重要な装備です。
Q2. エアマットとフォームマットの違いは?
A2. エアマットは軽量でコンパクトに収納でき、断熱性や寝心地に優れます。フォームマットは空気を入れる必要がなく、耐久性が高いのが特徴です。UL派はエアマット、シンプルさや安心感を求める人はフォームマットを選ぶ傾向があります。
Q3. エアマットはパンクしやすい?
A3. 薄い生地を使う軽量モデルはパンクリスクがゼロではありません。ただし、最近のモデルは耐久性が向上しており、適切に使用すれば長持ちします。地面に直置きせず、グラウンドシートやタイベックなどを敷くと安心です。
Q4. 断熱性(R値)はどれくらい必要?
A4. 夏の低山ならR値2前後でも十分ですが、春秋や高山ではR値3以上がおすすめです。冬山で使うならR値5以上のモデルを選びましょう。
Q5. 空気を入れるのが面倒では?
A5. 最近はポンプサックが付属しており、数回のポンプ動作で素早く膨らませることが可能です。口で直接空気を入れる方法もありますが、湿気がマット内に残る可能性があるためポンプを使う方が安心です。